喫茶室４９

運転席や車体の周りはカタカナ語だらけ

アクセルは英語のａｃｃｅｌｅｒａｔｏｒを略した日本語である。語源はラテン語ａｃｃｅｌｅｒａｒｅ「急がす」で、「加速装置」のこと。 　ブレーキｂｒａｋｅ「減速する、停止させる」は「麻を打ってほぐす道具」の転用からか定かではない。ｂｒｅａｋとの繋がりも不明。 　クラッチｃｌｕｔｃｈは原動軸につなげたり、遮断したりする装置のこと。原義は「しっかりとつかむ」で同類語にボクシングのクリンチｃｌｉｎｃｈやクリップｃｌｉｐ（くっついて止める）がある。下段を参照のこと。 　オートマは英語のａｕｔｏｍａｔｉｃ　ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎを略した日本語。同意語のノークラッチも日本語。 　ペダルｐｅｄａｌは参照−ペダル 　エンジンｅｎｇｉｎｅは参照−ゼネコン 　クランクｃｒａｎｋは往復運動と回転運動とを互いに切り替える装置で、映画撮影機のハンドルから映画を撮ることも意味する−クランクイン。 　ワイパーｗｉｐｅｒは前窓にかかる雨滴や汚れを自動的に「拭き取る装置」。「雑巾」の意味もある。 　タコメーターｔａｃｈｏｍｅｔｅｒは「回転速度計」でギリシャ語ｔａｃｈｏｓ「速度」とｍｅｔｒｏｎ「測定」から成る。 　バンパーｂｕｍｐｅｒ「緩衝器」は「バタン、ドシン」の擬声音から。 　ボンネットｂｏｎｎｅｔエンジン部分の「覆い」は「子供用の帽子の一種」の形から。 　ウインカーｗｉｎｋｅｒ「点滅式方向指示器」は「瞬きする」から。 　マフラーｍｕｆｆｌｅｒ「消音装置」は「包む」から。英語はｓｉｌｅｎｃｅｒともいう。 　バッテリーｂａｔｔｅｒｙ｢電池」は参照−バット 　ラジエーターｒａｄｉａｔｏｒ「エンジンの冷却装置」は参照−ラジオ 　キャブレターｃａｒｂｕｒｅｔｏｒ気化した燃料と空気を混ぜて爆発性の混合ガスを作る装置でカーボンｃａｒｂｏｎ「炭素」と化合させる。 　シャシーｃｈａｓｓｉｓ「車体」はフランス語からの転用で、スペルからも分かる。フランス語では窓枠等「骨組み」を言う。「窓枠」の意味で英語に入ってきたのがサッシｓａｓｈである。語源はラテン語ｃａｐｓａ「箱」、英語のケース「箱」ｃａｓｅは姉妹語。 部品名ではないが、最近トラックの横に「アイドリング禁止宣言」のアピール文句がある。このアイドリングｉｄｌｉｎｇ｢エンジンの空ぶかし」はｉｄｌｅ｢怠惰な､無駄な」からで、歌手のアイドルｉｄｏｌではない。発音は同じ。

ａｃｃｅｌｅｒａｔｏｒ　　　アクセル ｂｒａｋｅ　　　　　　　　　ブレーキ ｃｌｕｔｃｈ　　　　　　　　クラッチ ｅｎｇｉｎｅ　　　　　　　　エンジン ｃｒａｎｋ　　　　　　　　　クランク ｗｉｐｅｒ　　　　　　　　　ワイパー ｔａｃｈｏｍｅｔｅｒ　　　　タコメーター ｂｕｍｐｅｒ　　　　　　　　バンパー ｂｏｎｎｅｔ　　　　　　　　ボンネット ｗｉｎｋｅｒ　　　　　　　　ウンカー ｍｕｆｆｌｅｒ　　　　　　　マフラー ｒａｄｉａｔｏｒ　　　　　　ラジエター ｃａｒｂｕｒｅｔｏｒ　　　　キャブレター ｃｈａｓｓｉｓ　　　　　　　シャシー ｉｄｌｉｎｇ　　　　　　　（エンジンの）空ぶかし

ｃｌａｙ　　　　　　　　粘土 ｃｌｅｎｃｈ　　　　　　握りしめる ｃｌｉｎｃｈ　　　　　　クリンチ ｃｌｉｍｂ　　　　　　　登山する(岩にしがみつく） ｃｌａｍｂｅｒ　　　　　よじ登る ｃｌｉｎｇ　　　　　　　しがみつく ｃｌｉｐ　　　　　　　　クリップ ｃｌｏｕｄ　　　　　　　雲（くっついている塊） ｃｌｏｔ　　　　　　　　血などの塊 ｃｌｏｄ　　　　　　　　粘土の塊 ｃｌｕｂ　　　　　　　　塊のある棒、クラブ ｃｌｕｅ　　　　　　　　糸口 ｃｌｅｗ　　　　　　　　糸玉